日本経済新聞に新仮想通貨についての記事が出ていたので、感じたことをまとめておきたい (2017年9月17日付 新仮想通貨「Jコイン」 みずほ・ゆうちょ・地銀が連合)
新仮想通貨「Jコイン」構想とは?
記事によると、以下の様な特徴を備える構想の模様だ
- 日本円建て
- ゆうちょ銀行、みずほ銀行、地銀等が参加
- 個人間や企業との決済に使用
- 銀行口座からJコインに入れる
- 決済データの活用とATM費用の削減が目的
仮想通貨なのか、なんなのか?
所謂、仮想通貨業界では、「これは仮想通貨じゃないじゃないか」、「プリペイドカードだ」、「電子マネーだ」との意見が多い。
個人的には、(資金決済法上の定義ではなく、一般的な用語としての)仮想通貨という定義は、かなり広い概念だと思うので、まあ、そんな言葉遊びは、どうでもいいのじゃないかと思ったりする。
ただ、確かに記事の内容が正しいのであれば、「ちょっと便利になったSUICA(電子マネー)」ぐらいの印象だ。
利便性の高いコインが実現するのかは疑問
個人的には、このような試み自体はいい方向性だと思うが、この構想はいくつか実現に向けて課題があるような気がしている。
気になった点を列挙してみよう
銀行は本当に送金手数料をゼロにできるのか?
現在、銀行の送金にはかなり高い送金手数料が取られている。
恐らく、現状のゼロ金利のなかで、銀行にとっては数少ない収益源の一つだろうと考えられるが、この収益源を本当に手放すことができるのかは疑問である
口座から直接引き落とさないで、いちいちジャージするのはめんどくさい
SUICAで感じていたことだが、ウォレットみたいなものに、いちいちチャージをしなくてはならないのは非常にめんどくさい。
ましては、そのチャージのタイミングで送金手数料を取られるのであれば、普及は厳しいだろう。
スマートホンをいちいち取り出してアプリを立ち上げるのはめんどくさい
QRコードを使ったスマホアプリなどは、国内でも出てきているが、スマホを取り出して、アプリを起動させる手続きは、やはり手間だと感じる。
その点では、SUICAやクレジットカードのように物理的なモノの方が簡便でよい。
物理カードとアプリの2つが使える体制であればいいのだが。
最後に
かなり画期的な雰囲気で記事になっているが、上記のような課題もあり、微妙なものが出来上がる気がしている。
個人的には、SUICAをバージョンアップさせて、個人間決済もできるようにしていくのが早いと思うのだが、どうだろうか?
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