現代ビジネスのweb記事で「楽天がAmazonに勝てない理由は「物流哲学の差」にあった」という記事を読んだ。
僕はかなりのAmazonユーザーだが、楽天とAmazonについて感じるところもあるので、まとめてみる。
「物流哲学」ではなく「誰に向けたサービス」か?
現代ビジネスの記事タイトルにある「物流哲学」というのは表面的な現象であり、本質的には、この記事でも指摘されているが「誰に向けたサービスか」が大きく違うことに由来するということに同意する
楽天は、出品者から出店料を徴収するビジネスモデルを基本としている。楽天にとって直接利益をもたらしてくれる「お客さん」は出店者であって利用者ではないのだが、この事実は、時に利用者との間に利益相反をもたらす可能性を秘めている。
使い勝手が悪い楽天
個人的な不満になってしまうが、楽天は先見の明もあり大きく発展を遂げたものの、依然使い勝手が極めて悪い。
- ホーム画面がごちゃごちゃしていて見難い
- 同一商品が大量に表示される
- 送料込みの値段が分かりにくく、比較しにくい
- 商品のコメントも内容が酷く参考にはならない
- 購入時、うっかりチェックを外すのを忘れるとメール爆弾が襲ってくる
これらも、商店側にとってみれば、「比較しないようにしてくれ」「宣伝メールガンガン送ってくれ」という要請なのかもしれない。
しかし、結局、いちいち比較したり、いちいち取り消したりするのは消費者であり、その無駄を押し付けているだけだということに気づいてもらいたい。
楽天のコーポレートサイトにも、地方の商店が店を開きやすくするというコンセプトだと書いてある。
「インターネットで人はモノを買わない」と言われた時代に、地方の小さな商店でも、コンピューターに強くなくても、誰でも簡単に店を開けるようにしたいというコンセプトで、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』を開設。
楽天株式会社website (https://corp.rakuten.co.jp/about/history.html)
その起業時のコンセプトは非常に大事だし、出展者あってこそというのは理解できる。
しかし、正直言って、田舎臭い。
- 楽天サイトも、安売りスーパーのチラシみたいで「安かろう、悪かろう」感が否めない
- 出店者のサイトも、派手な宣伝文句が並ぶ、売れればよいという感覚の店舗が多い
という印象があり、最初から楽天は開かず、Amazonで買えないものは楽天でやむなく購入するということになりがちである。
統一感があってわかりやすいAmazon
逆にAmazonは、非常にユーザーフレンドリーな印象を受ける
- 原則1商品1アイテムなので、非常に整理されている
- 商品内で、出店者の価格等が比較できるのでこれも分かりやすい
- 商品の表示形式が全て統一されているので、何がどこにあるのかがすぐにわかる
- コメントもピンキリだが参考になるものが多い(商品が統一されているのでというのもあるだろう)
- Amazonプライムが有用すぎる
経済圏(エコシステム)の拡大戦略にも影響
楽天もAmazonも、それぞれ様々なサービスを展開し、楽天経済圏、Amazon経済圏なる物を構築しようとしている。
楽天経済圏
主軸の通販事業の顧客を核として、
- 金融(銀行、証券、カード、保険)
- スポーツ(球団)
- 通信(モバイル、Viber)
- 旅行
- 電子書籍、等々
を展開しているが、あまり楽天メンバーだから、ほかのサービスも利用してみたという人はあまりいないのではないだろうか?僕自身も、楽天トラベルを何回か使ったことがあるぐらいで、他は殆ど知らない。
要因としては、
- 楽天の会員だからといって、ほかのサービスが格安になるわけでもなく、試してみようという気が起きない
- 楽天のHPがごちゃごちゃしすぎていて、それぞれのサービスを見つけることができない
ということが要因かもしれない。
Amazonのエコシステム
AmazonもAmazon Prime会員を通じて様々なサービスを提供している
- 音楽(Amazon Music)
- 動画(Amazon Video)
- AIロボット(Amazon Echo)
- 電子書籍(Amazon Kidle)
- オーディオブック(Audible)
- ストレージ(Amazon Drive)
- 通販プラットフォーム
金融事業がないのが不思議といえば不思議。提携カードがあるぐらい。
- 私がAmazon Prime会員で、Prime会員だと格安・無料で様々なサービスを試せるからかもしれないが、多くのサービスを使ったことがあり、良いものは対価を払っても継続する傾向がある
- また、同じサイトからそれぞれのサービスにアクセスしやすく、サービス間の連携も高い。
これも、消費者の方向を向いているからなせることなのか。
楽天がイケてるようになるには
相当イケていない楽天が依然として大きなシェアを維持し、収益を出しているということは、裏を返せば、不満要素をいくつか潰すだけで、大きく魅力がアップするということだろう。
なので、楽天に対しては、改善点、提言を改めて載せて締めくくることしたい。
ホーム画面
- すっきりさせて、必要な機能(大項目へのリンク、検索窓、個人情報)を見やすく
- 様々な他サービスへアクセスしやすく
商品表示
- 同一商品は一つにまとめる
- 商品へのコメントも共通化する(「届いていないけど、★5つ」といった不要なコメントは除外する)
- 送料込みでの価格比較を容易に
メール爆弾
- 初期設定としてメールは来ない設定にする
ブランド
- 保証やクオリティのチェック等により、楽天だから安心といったブランドを構築
こんな感じだろうか。
まとめ
記事を読んで、思うところを書いてみたが、結構長くなってしまった。
色々書いてみたが、楽天にあまり「夢」や「未来」を感じない。なぜだろうか?
- 三木谷さんの印象が強いから?
- 田舎のスーパーのチラシみたいだから?
- 宣伝が下品だから?
- イノベーティブな商品がないから?
なんか、コレジャナイ感をいつも感じるだよね。。。。
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